「日本一危険な場所にある国宝」に行ってみた

鳥取の山奥の断崖絶壁に建つ、

三徳山(みとくさん)三佛寺(さんぶつじ)の、
投入堂(なげいれどう)に行って来ました。




三徳山三佛寺の詳しいことは、
↓↓↓を参照してもらうとして、

 三徳山三佛寺



今回行った、
投入堂は国宝でして、
しかも、

「日本一危険な場所にある国宝」

とか。

どんな、
危険な場所にあるんでしょうかね。



では。






4月の雪
中国道から鳥取道に入ると、
道路脇に設置してある温度計は-1℃。

そして、
「チェーン規制中」の表示。

道に雪は無いのですが、
チラホラと降っています。

そろそろノーマルに戻そうかと思ってたのですが、
まだスタッドレスを履いてて良かった。





今回は、
私一人ではなく、
連れと一緒なんですん。

現地集合なんですけどね。

彼は、
早くに出発して、
私と違って、
米子道を走ろうと思ったそうですが、
米子道もチェーン規制で、
下道に降ろされたそうです。

彼が撮った写真が↓↓↓

結構降ってますね。

中国道も、
広島県内で、
一部通行止めだったようです。

もう、
4月なんですけどねぇ〜。






鳥取道から21号線に入ると、
道路沿いの雪が多くなって来ました。

その景色が、
あまりに綺麗だったので、
車を停めて、

パシャ!



桜に雪被ってるし。

こんなん、
初めて見ましたよ。

桜だって、
ビックリしますよね。






そんな景色を眺めながら、
やって来たのは、

三徳山駐車場。

この写真は下山時のものですが、
私が来た8時前には、
連れの車ともう1台の2台だけでした。

今回は、
連れと二人なのですが、
投入堂に行くには、
一人では、
行けないんです。

最低、
二人以上でないと。

安全面上からそんなルールを作ってるんだと思いますが、
どんな、
危険な場所なんでしょうかね?






三徳山三佛寺
駐車場で、
山登りの準備をし、

三佛寺の入口に来ました。

写真を撮ってるのが、
いつも一緒に旅してる連れです。

何故に、
お寺に行くのに、
山登りの格好をしてるかと言うと、
それは、
後で分かります。



それでは、

行きますか。






階段を上って、
最初に出てくるのが、

受付案内所。

ここで、
入山料(本堂まで)400円を払うと、

ガイドと厄除祈願のお札をくれます。



案内所前には、

三徳山の全体案内図があります。

投入堂以外にも、
いろんなお堂があるんですね。



そして、
案内図の下には、

〜投入堂参拝者入山心得〜
 1 入山届・下山届を提出すること。
 1 2人以上で入山すること。
 1 靴の確認を受けてから入山すること。
 1 立入禁止区域には、入らないこと。
 1 荒天寺は、入山を禁止する。


さらには、

こんな案内板も。

要は、
投入堂に行くのは登山なので、
登山の格好をしなさいよ、
と言うことですね。






案内所から、
三佛寺までの参道には、

いろんな院があります。



皆成院。



輪光院。



可愛いぃ(笑)



これらの院は、
宿坊も兼ねており、
座禅や写仏、写経などの修行体験もできるそうです。

もちろん、
要予約ですが。



これらの院を過ぎ、

この階段を上ると、


右に、

三佛寺。



左に、

三佛寺本堂があります。



境内には、

狛犬や、


地蔵尊などもあります。



三徳山三佛寺は、
寺伝によると、慶雲三年(706)役小角(えんのおづぬ) が三弁の蓮花を散らしたところ、その一弁がここに落ちたので(ほかは伊予石槌山と吉野) 堂宇を建てて修験の行場にしたといわれている。
平成十三年(2001)、奈良文化財研究所が行った年輪年代測定によって、 投入堂は平安時代後期(1086~1184)に建てられ、 納経堂も投入堂と同時期に建立されたことが判明した。  嘉祥二年(849)、慈覚大師(じかくたいし)によって伽藍(がらん)が建立され、 阿弥陀・釈迦・大日の三尊を安置したので三佛寺といわれるようになったという。
三徳山三佛寺

出ましたねぇ〜、
役小角さん。

役行者とも言われるスーパーマンで、
実存した人らしいですね。

特に関西以西の山々で、
山岳修行を行い、
六甲山系でも、
彼に関係したお寺が残っています。

まぁ〜、
有名なのは、
世界遺産に登録されてる、
熊野や大嶺ですかね。



世界遺産と言えば、
ここ三徳山も申請したそうですが、
現在は、
継続審議中とか。






修行登山の準備
本堂の右を奥に進むと、

登山参拝事務所があります。



「三徳山入峰修行(国宝投入堂参拝登山)受付所」

って、
書かれてます。

修行のための登山なんですね。



まず、
靴チェックが行われます。
サンダルやスリッパはもちろん、
ヒールの高い靴や、
平らな靴底の靴では、
入山させてもらえません。


そのような場合、

草鞋を購入します。



私たちは登山靴を履いていたので、
必要ないのですが、
草鞋が珍しく、
お土産に買おうとしたら、

『お土産には売れません( ̄へ ̄)ビシッ!』

必要な人が結構いるようで、
お土産までまわす余裕がないそうです。



草鞋を履けば、

天狗さんになれるそうですよ(笑)

途中で、
履いてる人がいたので、
聞いたのですが、

『滑らないけど、
 脱げる』

普段履いてないだけに、
チャンと履くのが難しいようです。



靴チェックが終われば、
投入堂までの入山料400円を払い、
登山届を書き、
最後に、

「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」の輪袈裟を貰います。

って、
実際は借りるんですけどね。

下山後に返却します。

ここは、
一般の登山ではなく、
あくまで「修行のための登山」。

その修行の目的が、
「六根清浄」

「六根」とは、
眼、耳、鼻、舌、身、意、
つまり五感と心。

三徳山に登ることで、
これらが清浄されると言うことなんでしょうかね。

えぇやないの。

私たち、
これらが汚れまくってますからね(笑)



これで、
修行登山準備完了。






修行登山開始
それでは、

修行のスタート。

どんな、
修行の道が待ってるのでしょうか?

階段の下にある大杉は、
「注連掛杉(しめかけすぎ)」
と呼ばれてるそうです。



注連掛杉を過ぎると、

赤い門があります。

ここが結界でしょうか?

門の向こうの赤いアーチ状の橋は、
「宿入橋(しくいりばし)」

いちいち、
名前が難しい。



宿入橋を渡ると、、、






いきなりの急登。

垂直立ち上げってやつですか?

助走区間がありません。



最初から手を使って登って行きます。






で、
最初に出てくるお堂が、

「十一面観音堂(野際稲荷)」

江戸時代中期に造られたもので、
小さいですが、
県の保護文化財だそうです。

この後、
いろんなお堂が出てくるのですが、
みんな、
国の重要文化財や、
県の保護文化財に指定されています。




実は、
このお稲荷さんの近くに、
役小角さんの像があるはずなのですが。

見逃したのでしょうか?

まぁ〜、
必死のパッチで登ってましたからね(笑)






でも、
この修行登山道、
ここからが本場。



4〜5mはあるでしょうか?

根っこを足がかりにして、
ほぼ垂直の斜面を登ります。



ここを、

「カズラ坂」と言うそうです。

これ、
カズラ(つる)なんですかね。



まぁ〜、
根っこが伸びて、
つるのようにも見えますが。



いずれにしても、
昨日から降ってる雪で、
根っこが濡れてて、
滑る滑る。



一歩一歩注意しながら、

登っていきます。






カズラ坂をクリアすると、

二つ目のお堂が見えて来ました。



ここからは、

クサリ場です。

なので、
「クサリ坂」と言うそうです。

登りと下りのルートが分かれていますが、
槍ヶ岳の穂先みたいですね(笑)



お堂の柱の下まで登ると、
次は、

柱の周りの大岩を登って行きます。



このクサリ、
丈夫なんですが、
めっちゃ重い。

持つのが疲れます。



連れ『もう、
   クサリはいらん』



最後の、
垂直の岩を登りきると、



「文珠堂」

回りにスペースが無くて、
全体の写真が撮れません。



文殊堂は、
国の重要文化財で、
室町時代後期に建てられたそうです(推定)。

回りに縁を張り巡らした、
舞台作りになっており、
ここは歩くことが出来ます。

でも、
標高約500mの岩場にせり出した60cm程の縁は、
高いとこが苦手な私には辛い。

しかも、
この縁、
平に見えますが、
実際は、
少し外に向かって、
下がっているんです。

雨対策らしいですが、
これが、
かなり怖い ><



内側をそ〜っと歩いて、

なんとか着席。

勇気を出して、
顔だけ出して、
下を覗いてみたら、

思った程、
高度感はなかった^^ホッ。

後続のおばちゃん達がクサリ坂を登ってますね。



天気の良い日には、
日本海まで見わたせるそうですが、
今日はダメ。

まだ、
小雪が舞っています。



連れも、
座ってみたのですが、、、



笑顔が引きつってますけど(笑)






次に進みます。



岩をよじ登り、
少し進むと、



次のお堂が見えてきました。

ここは、
ロープを使ってのトラバースですか。

なんでも有りやね。






トラバースして、
少し登ると、

「地蔵堂」

これも、
文殊堂同様、
国の重要文化財です。

造りは、
ほとんど文殊堂と同じですね。

室町時代末期に建てられたようです。


下から、
見上げると、

こんな感じ。

急斜面や崖に張り出して建てる技法を、
「懸造(かけづくり)」と言うそうです。

先の文殊堂や、
これから行く、
投入堂も同じ造りですね。



ここでは、
頑張って、

前の方に座ってみましたが、
ビビってるのが、
チョンバレですね(笑)



景色は、
相変わらずイマイチです。

と言うか、
雪が激しくなってきました。



風も強くなって、

『ヒェ〜』






次に進みます。






「鐘楼堂」

これは、
県の保護文化財です。

寺伝によれば、
当初は建久7年(1196)、
源頼朝の本願により建立されたもので、
現在の鐘は、
延宝8年(1680)に再鋳されたものとのこと。

昔は、
参拝者は鐘をつき、
心を落ち着かせて、
投入堂を目指したらしいです。

連れも、
ついてましたが、
めっちゃ良い音してました。

しかし、
この鐘、
どうやって、
ここまで持ち上げたのでしょうか?






もう、
これくらいの岩では驚きません。

連れも、

『普通』






案内所で貰ったガイドによると、
鐘楼堂を過ぎると、
「馬ノ背」、
「牛ノ背」
と呼ばれる、
尾根があるようですが、
よくわかりません。



とにかく、
こんなとこを進んで行きます。

馬ノ背?



牛の背?






そして、

次のお堂が見えてきました。



最初が、

「納経堂」

小さなお堂ですが、
これも国の重要文化財に指定されています。

平安時代に造られたもので、
中には、
修行僧が使う写経が収めれているそうです。



次が、

「観音堂」

観音堂は、
県の保護文化財で、
いつ造られたものかわかりませんが、
江戸時代前期に鳥取藩主 池田光仲によって、
再建さてたものだそうです。

このお堂は、
完全に岩窟の中に造られています。



こう言う、
岩窟の中のお寺って、
他にもどこかで見たことあると思ったのですが、、、



ベトナムの世界遺産、
「チャンアン複合景観」内にある、

ソース:ベトナム縦断の帰国旅、16日目、Tam Coc「チャンアン複合景観」
ビッグドン寺(Chua Bich Dong)もそうでした。

同じ山岳仏教寺院、
何か意味があるんでしょうね。



右に回り込みます。



裏には、

出っ張った岩があります。

この隙間は「胎内くぐり」と言われており、
洞窟を女性の体に例えており、
ここをくぐると、
新しい自分に生まれ変わるとか、、、



スコッと
通り抜けたのですが、
変わったんやろか?



さらに、
左に回りこむと、
右手にある小さなお堂が、

「元結掛堂(もとゆいかけどう)」

これも、
県の保護文化財で、
観音堂の再建と同時期に作られたようです。

「元結」とは、
髪を束れる為の糊で硬くした「こより」のことで、
三佛寺で剃髪した僧侶の髪が納められてるそうです。





ここを進んで、
左から巻くと、
先行していた連れが、

『これや!』



行ってみると、
有りました、

「投入堂」



通常、
投入堂と言われていますが、
正式には、

手前の大きなお堂を「蔵王堂」。

そして、
奥の小さなお堂を「愛染堂」、
と言うそうです。

どちらも、
国宝です。



さらに、
投入堂の右には、

「不動堂」

こちらは、
県の保護文化財です。

江戸時代後期に造られたものらしいです。






断崖に臨む岩窟内の懸造と、
床下の大胆な工法、
まさに奇構ですね。



これって、
お堂を建てるために、
岩を削ったのでしょうか?

それとも、
たまたま、
こういう岩窟が有ったので、

『おしっ、
 ここにお堂を建てよう』

って、
なったんでしょうか?

何れにしても、
すごいところに建てたものです。

実際には、
どうやって建てたかは不明で、
慶雲3年(706年)、役小角が白雲に乗りこの峰を降り立ち、神窟を開き、法力を持ってこの堂宇を投げ入れたと伝えられることから、「投入堂(なげいれどう)」と呼ばれてる

とか。

平安時代後期の建築で、
現在でも平安時代後期の木材がそのまま使用されているそうです。


写真で見ても、
凄いと思いますが、
実物を見ると、
感動しますよ。






下山
今日は、
私たちが一番乗りだったようで、
後ろからドンドン参拝者(ハイカー?)が、
登ってきています。

もう少し、
じっくり見ていたかったのですが、
ビューポイントが狭いので、
残念ながら、

下山します。






通常の登山同様、
登りより、
下の方が、
気をつかいます。

なんせ、
下が濡れてて、
めっちゃ滑るんです。



今日は、
日曜日と言うことで、
多くの参拝者が登ってきています。

地蔵堂の手前では、
30人程の団体さんと遭遇。

でも、
登り下りで、
結構ルートが分かれているので、
そんなに停滞も発生せず、

無事、下山終了。






登山参拝事務所前では、

外人さん達が、
草鞋の履き方で、

『○X▽□▶︎』
『●◁◎X□○…』

何やら、
もめています。

まぁ〜、
難しいですよね(笑)

しかし、
こんなとこにも来るんですね。



そして、
本堂前では、

C国語圏の団体さん。

この人達、
バス二台で来てましたが、
投入堂までは行かないようで、
三佛寺までだそうです。

しかし、
もっと他に行くとこはあるやろ。

それとも、
もう、
日本全国、
主だった所は行き尽くしたんでしょうかね?



でも、
後で、
外人さんが多い理由が分かりましたよ。






境内には、

フリーの十薬茶(どくだみ茶)が用意されています。

最初、
『えっ、
 どくだみ?』

って、
思ったのですが、
これが、
めっちゃ美味い。

おかわりしましたよ(笑)

連れは、
お土産に買ってました。



そして、
お茶の奥には、

こんなポスターが。

残り99はどこなんやろ?

「カーサ ブルータル」買おうかな。



お茶をサービスしてくれた、
お寺のお兄さんに、
『外人さん多いですね』

って、
聞くと、

ここ三徳山と隣の三朝(みささ)温泉は、
2015年に、
文化庁が認定する、
「日本遺産」の第一号に認定され、
COOL JAPAN戦略の一環として、
海外からの観光客誘致を推進するエリアになってるそうなんです。

なるほど。

しかし、
「日本遺産」
って、
初めて聞いたわ。






日本遺産第一号
と言うことで、
下山後にやって来たのは、

三朝温泉。

なんせ、
日本遺産第ー号ですからね。






観光案内所で、

トリパス」を貰い、
やって来たのは、

三朝館

もちろん、
温泉につかるためです。

先ほどの「トリパス」があれば、
通常1,000円の入浴料が、
700円になります。

このトリパス、
良いですよ。

ここだけでなく、
鳥取県内のいろんなとこで、
割引がききます。

鳥取にお越しの際は、
ぜひご利用下さい。

以上、
鳥取県観光連盟からのお知らせでした(笑)






内湯も大きて綺麗、
露天も大きて、
いろんなお湯があり、
さすが、
世界屈指のラドン温泉です。






風呂上がりには、
昭和を色濃く残す、
温泉街の茶店で、

蕎麦を食べ、
帰路につきました。






当初は、
「日本一危険な場所にある国宝」と言うことで、
どんなとこなんやろうと思っていたのですが、
そんなに危険ではなく、
フィールドアスレチック感覚で、
楽しめました。

時間も、
登って下りて1時間半くらい。

普通の登山のように疲れることもなく、
途中であったハイカーさんも、
『めっちゃ楽しい』
って、
言ってました。



今日も多くの人が参拝されていたのですが、
その殆どは、
ハイカーではなく、
一般の観光客。

中には、
小学前の子供さんもおり、
さすがに、
1人では、
クリアできない大きな岩も、
お父さんやお母さんがサポートして、
登っていました。

親子の絆がこんなとこでも深まりますよね。



そんな山道(「行者道」と呼ばれるそうです)を登り、
目にする投入堂は、
その、
岩窟内の懸造と床下の大胆な奇構で、
驚きを通り超して、
感動さえ覚えます。






まさに、
国宝、
日本の宝ですね。



ちなみに、
有名な写真家、
土門拳さんは、

『日本一の建築は?
 と問われれば、
 三佛寺投入堂と答える』

と言ったとか。






投入堂の参拝で、
「六根(眼、耳、鼻、舌、身、意)」を清め、

三朝温泉の湯治で、
「六感(観、聴、香、味、触、心)」を癒すと言う、

ユニークな日本遺産第一号を体感する、
楽しめた山行きでした。








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