日本三大渓谷の一つ、大杉谷を歩いてみた 
一日目 登山口 〜 桃の木山の家

大杉谷を代表するシシ渕





近畿を代表するトラック、
大杉谷を歩いて来ました。

大杉谷は、
日本三大渓谷(峡谷)の一つで、
近畿の秘境とも呼ばれ、
手付かずの原生林と多雨地帯ならではの多数の滝が存在する渓谷。

そんな渓谷沿いの登山道を、
大台ケ原まで、
2日かけて歩いてみました。






行程

一日目:
神戸 ー<列車/バス>ー 大杉渓谷登山口
大杉渓谷登山口 〜 桃の木山の家
桃の木山の家泊

二日目:
桃の木山の家 〜 日出ヶ岳 〜 大台ケ原
大台ケ原 ー<バス/列車>ー 神戸


ルート的には、

ソース:大杉谷登山ルートガイド - 登山マップ
こんな感じで、
全長約16Km、
標高差約1,400m。



この数字だけ見ると、
1日で走破できそうですが、
実際は、
アクセス面でかなり難しいです。

と言うか、
無理です。



公共の交通機関を使う場合、
登山口最寄りの駅から登山口までのバスは1本/1日で、
登山口着が12:00。

大台ケ原から最寄りの駅までのバスも1本/1日で、
大台ケ原発が15:30。
(土日祝日は2本/1日で、14:30もあり)

さすがに、
3時間半で走破は出来ません。


 
車の場合、
登山口と大台ケ原にそれぞれ車を置いとけば可能ですが、
1台の場合、
例えば、
早朝に登山口に車を置いてスタートすれば、
大台ケ原15:30発のバスに乗ることは可能ですが、
その日のうちに登山口まで戻って、
車をピックアップすることが出来ません。



と言うことで、
どうしても、
途中で1泊することになります。

でも、
私は神戸からですが、
東京、大阪、名古屋からでも、
1泊すれば、
行って歩いて戻れるんですけどね。



ルート上には、
桃の木山の家と、
粟谷小屋の、
2軒の山小屋があり、
今回は、
桃の木山の家に泊まります。

理由?

登山口から近いから。

最初に楽な方を選ぶタイプです(笑)






登山口へ
と言うことで、
やって来たのは、

JR紀勢本線の三瀬谷駅。

この駅、
特急が停まるのですが、
無人駅。

ここからは、
歩きです。






10分程歩いて、
着いたのは、

道の駅 奥伊勢おおだい。

ここから、
登山口行きのバスが出るんです。



それが、
こちら、

エス・パール交通の大杉峡谷登山バス

このバス、

  • 完全予約制
  • 予約・キャンセルは出発日の3日前まで
  • 最少催行人数は4名、最大25名まで

と言う、
なんともわがままなバス(笑)

はっきり言って、
このバスの予約が取れれば、
大杉谷ハイクは90%終わったも同然です。





10:30、
私を含めて7人のお客さんをを乗せて
出発。






走ること1時間、
停まったのは、

大杉谷登山センター「自然の家」。

ここで、
トイレ休憩と、

登山届を提出します。



ここには、

お店も有りました。






そして、
再び走ること20分、
着きました、

大杉渓谷登山口。

車も停まってますが、
皆さん、
ピストンですかね?



えっ!、

「大台ケ原登山口」なの?

しかも、

超アバウトやし(笑)






登山口 〜 桃の木山の家
今日は、

ここ大杉渓谷登山口から桃の木山の家までを歩きます。

距離は約6.2Km、
標準CTは約5時間。

基本、
緩やかな登り基調で、
最大標高差は250mです。

しかし、
標高差もほとんど無く、
6.2Kmが5時間もかかるのか?

そんなに厳しいの?






登山口 〜 シシ渕
では、

スタート(12:00)






タクシー料金表がありました。

バス代が2,500円なので、
4人で10,000円。

少し高いような気もしますが、
バスと違って自由に呼べるので、
需要があるのかもしれません。

でも、
私1人では絶対無理ですね。






宮川第三発電所(12:05)

この横を抜けて行きます。






大杉谷取り付き(12:06)

ここから、
大杉渓谷に入って行きます。



小屋まで6.2Kmなのね。






で、
取り付いて1分、

いきなりこれ?

ここは、
大日嵓と言うそうですが、
高度感こそ無いものの、
黒部の下の廊下を彷彿させます。



『はい!』



確かに、
滑りそうや。

この先も、
濡れてると、
滑りやすそうな箇所が多く有りました。






大杉峡谷、
日本でも最大の多雨地帯「大台ケ原」を源流とする、
清流「宮川」の最上部です。

この宮川、
あまり人手が入っていないのか、
メチャクチャ綺麗です。

登山道は、
この宮川沿いを左岸から右岸、
そして、
右岸から左岸へと吊橋を渡りながら、
上流に登って行きます。



と言うことで、
ルート上に多くの吊橋が有ります。

で、
最初の吊橋が、

大日嵓吊橋(12:17)






この吊橋を過ぎると、

河原に下りれました(12:26)

能谷河原と言うそうです。



ここで、

昼ご飯にします。

中央の断崖が大日嵓で、
岩をくりぬいた登山道の場所です。



今日はのお昼は、

ないしょもち。

道の駅で買ったんです。



うま〜い。

3つ全部食べちゃった(笑)



後から来たハイカーさんに抜かれて行くのですが、
良いんです。

今日は、
小屋に行くだけなので、
時間はたっぷりあります。

ノンビリと行きます。

と言っても、
本当に、
CT通り5時間もかかるとまずいのですが、
牛歩の私でも、
そんなにはかからないと思っているので。






昼ご飯を食べ終え、

登山道に戻ります(12:44)






能谷吊橋(12:45)






地獄谷吊橋(12:50)





京良谷(13:08)

ここも、
低くなっており、
河原に下りれます。

ここは、
休憩ポイントのようですね。

しかし、
石畳の道が、
遊歩道みたいです。






日浦杉吊橋(13:24)


日浦杉吊橋からの眺め。

峡谷なので、
V字谷なのですが、
このV字がかなり狭い、
そして深い。






小屋まで3Km(13:36)

残り、
半分ですね。






東屋が見えて来ました(13:42)



ここから見えるのが、

千尋(センピロ)滝、
なのですが、
なんか、
ショボくね?



って、
上を見上げると、

すげぇ〜上から落ちてる。

落差は100m以上有りそうです。

この滝は、
宮川本流の滝ではなく、
支流の千尋谷に懸かる滝です。

宮川には、
このように多くの支流が流れ込んでいます。

いやいや、
滝となって、
落ち込んでいます。






大きな岩がゴロゴロの河原です。

登山道は、
右(クサリの所)についてるのですが、
ここは、

大岩を乗り越えて、
河原の中を進んで行きました。






で、
行き着いた所が、
大杉谷を代表する、

シシ渕(14:40)

正面の滝が、
ニコニコ滝です。



ここで、

休憩します。

「シシ渕」の名は、
右の大岩が、
シシ(獅子)の横顔に似てるからですかね?

かなり似てるんですけど。



実は、
この大杉谷、
2004年の台風21号で、
斜面の大規模な崩落、
そして、
吊橋の流失など壊滅的な被害を受けたそうです。

2010年にここシシ渕まで部分開通し、
2014年にようやく全面開通したそうです。

先ほど歩いた大岩も、
滝下の大岩など、
その時の大水害の被害の大きさを示しています。



しかし、

このシシ渕の部分は、
宮川でも一番川幅の狭い箇所ですが、
あんな大岩が流れて来ても、
シシ顔岩(勝手に命名)は無事だったんですね。

さすが、
獅子。






シシ渕 〜 桃の木山の家
30分程の休憩を終え、
再び、

登山道に戻ります(15:07)






戻ると、

少し登ったところに二本滝があります。

今日は、
お湿り程度ですが、
水量の多いときは見事な滝に変身するそうです。

この滝は登山道のすぐ脇に落ちているため、
水量の多いときは難儀しそうです。






登山口からシシ渕までは、
割とフラットだった登山道も、
シシ渕からは、

急登となり、
道も険しくなります。

今回歩いたコースを大きく分けると、
  1. 大杉谷
  2. 大杉谷〜日出ヶ岳
に分けられるのですが、
1.は、
ほとんどの区間でクサリが設置されています。

でも、
本当にクサリに頼る箇所は、
このシシ渕から上部のニコニコ滝前の休憩所までくらいで、
その他の箇所は、
補助的に使うくらいです。

でも、
有ることで、
安心感はありますけどね。






で、
その、

ニコニコ滝前休憩所(15:18)



ここから見える滝が、

ニコニコ滝。

2段の滝で、
落差は100mくらいはありそうです。

この滝も千尋滝同様、
支流の加茂助谷に懸かる滝です。

シシ渕から見た時には、
本流の滝かなと思ったのですが。

しかし、
何で「ニコニコ」なんやろ?






平等嵓と平等嵓吊橋(15:29)

この吊橋は、
2004年の台風21号で流されたそうです。

川面から橋まで10m以上は有ると思いますが、
こんな高いとこにかかってる橋が流されるとは、、、

大自然の圧倒的パワーの恐ろしさを感じます。



今でも、
その時に流された大岩がゴロゴロしています。



この吊橋は、
2012年に再建されたらしいのですが、

メッチャ立派。

再建には、
かなり苦労があったそうですが、
三重県民の皆さん、
ありがとうございます。






平等嵓吊橋を過ぎると、
歩き易い道が続きますが、

こんなガレ場もありました。






加茂助吊橋(15:49)






そして、

小屋が見えて来ました。






桃ノ木吊橋を渡って、



着きました、
今日のお宿、

桃の木山の家(16:06)



標準CTは5時間ですが、
休憩を含めて4時間でした。

50分程休憩してるので、
実質歩いたのは3時間とちょっとですね。

私はかなり遅い方なので、
早い人なら3時間くらいで着くのではないでしょうか。






今日のお宿
桃の木山の家
では、
桃の木山の家をサクッとご紹介。



現在の正式な名称は、

「桃の木山の家」ですが、



「桃の木小屋」とも言うようです。



小屋が出来たのは昭和15年。

収容人数50名で、
7月~10月の4ヶ月間の営業でスタートしたそうです。

現在は、
収容人数250名で、
4月中旬〜11月末の営業です。

約80年に渡って営業しているんですね、
凄い。






一階
小屋に入ると、

受付と、
その隣に売店があります。

受付の後ろが厨房で、
料理は受付のカウンターで受け取り、
返却します。

売店には、
お酒やソフトドリンク、
カップ麺やおつまみなど有りました。

山小屋定番のバッジや手ぬぐいもありましたが、
Tシャツは見ませんでした。



売店の前が、

食堂兼談話室。

この小屋、
多い時には100〜200名が利用するそうですが、
その割には、
食堂が小さいような。

自炊スペースもこの一部を使うようです。



水場(洗面所)

もちろん、
そのまま飲めます。



トイレ。

男女共用で、
大は全て和式ですが、
水洗です。



そして、
この小屋には、

お風呂があります。

檜のお風呂です。

男女別々ですが、
この日はお客さんが少なくて、
男子風呂を時間を区切って女性も使用していました。

入浴時間は、
17時半〜19時までとなっていました。

写真は、
利用時間が終わった後に撮ったもので、
お湯が減ってますが、
お湯も水も蛇口から出ます。

もちろん、
山の中のお風呂なので、
石鹸、シャンプー等は使用できません。

変わったところでは、
浴衣を500円でレンタルしていました。

夏は、
良いかもしれませんね。






二階
二階は、

寝室です。

通路を挟んで、
左右に布団がひかれます。

多い時には、
屋根裏も利用するようです。



畳一畳に布団が一つ。

毛布も200円で借りれます。

この日は、
お客さん少なくて、
余裕で寝れました。

ここは大部屋ですが、
グループで利用できる個室もあるそうです。

消灯時間は20時でした。






食事
次は食事。

時間は、
夕食が17:30、
朝食が06:00。



夕食。

カレーとカツが別々のカツカレー。

私、
下山するといつもトンカツを食べるのですが、
それが山の中で食べれるとは、
嬉しい。

しかし、
山の中で油を扱うのは大変なのでは?



朝食。

卵は生で、
卵かけご飯専用の醤油が用意されていました。



お弁当。

鶏おこわでした。

プラのケースも、
竹の皮にしてもらえると嬉しいのですが。



後、

無料のコーヒーが有りました。






日帰り利用
この小屋は、

日帰り利用(休憩)も可能です。

外トイレや、
外の水場が無かった(と思う)ので、
立ち寄りで、
トイレや水を使用する場合、
休憩扱いとなり、
500円が必要です。

その場合、
食堂での休憩と、
飲み物(コーヒー/紅茶/お茶)がサービスされるそうです。

小屋の中に入るだけで、
料金を取る小屋もあるので、
ドリンクサービスは良いですね。






山小屋情報
以下に基本情報をまとめておきます。

山小屋名 桃の木山の家(桃の木小屋)
エリア・標高 大台ヶ原東側、吉野熊野国立公園内 標高500m
連絡先 TEL:0597-32-2052、FAX:0597‐32-1123
営業期間 4月中旬〜11月末
収容人員 250名
宿泊料金 1泊2食:9,000円
素泊り:5,500円
食事料金 朝食:1,200円
夕食:2,300円
お弁当:1,000円
個室料金 4人部屋:2,000円
6人部屋:3,000円
日帰り利用 可能、500円
お風呂 男女別に有り
トイレ 男女共用で水洗
水場(洗面所) 有り(飲料可)
携帯電話 Softbankは不通
※ 2018/10/21時点の情報です






小屋にて
チェックイン後、
お風呂に入り、
汗を流します。

この日も暑くて、
汗ビチャ男の私は汗だらけ。

ほんま、
お風呂はありがたいです。

でも、
張替えがないので、
気になる人はなるかも。

私は、
全然大丈夫。






お風呂の後は、

お決まりのプシュ〜。






その後、
晩ご飯を食べ、
部屋に戻って、

チビリチビリ。



この山小屋、
良いのですが、
一つ問題が。



それは、
全館禁煙なんですよ。

喜ばれる方も多いと思いますが、
私は、
悲しい。



なので、

一々外に出ます。

まぁ〜、
全然寒くないので、
良いのですが。






明日も天気は良さそうです。



明日は、
ここを出発して、
日出ヶ岳を目指し、
そこから、
大台ケ原に抜けます。



では、
おやすみなさい。











日本三大渓谷の一つ、大杉谷を歩いてみた
一日目 登山口 〜 桃の木山の家
二日目 桃の木山の家 〜 日出ヶ岳 〜 大台ヶ原








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