女王と貴公子に逢って来た 
三日目 貴公子は噂通り美白のイケメンだった

駒津峰から甲斐駒ヶ岳を望む





朝3時過ぎ、
目が覚めます。



いやぁ〜、
昨晩はよく飲みました。

何時に寝たか全然覚えていませんが、
山行きの疲れと、
お酒で爆睡でした。

当然、
まだお酒が残っています。



トイレに行き、
ここで再び寝ると、
起きれそうに無いので、

コーヒーで体と頭を起こします。



その後は、
朝ごはん。

今日も、

塩ラーメン。

塩ラーメンに更に塩を加えると言う入念さ。

どれだけ塩が好きやねん、
って感じですが。



ラーメンを食べてると、
昨晩ご一緒した隣のテントのおじさん
(私は「人生の先輩」と呼んでいますが)
が起きたようです。

さすが先輩、
あれだけ飲んでも、
起きるときは起きますね。






のんびり山行きの準備をして長衛小屋まで行くと、
人生の先輩(以後、「先輩」と呼びます)が出かけるところでした。


先輩『先に行くわ。
   ノンビリ行くので、
   追いついて』

私 『了解ッス!』



今日は二人共、
甲斐駒ヶ岳に登ります。



甲斐駒の登山は、
長衛小屋前の、

この橋から始まります。

北沢峠のこもれび山荘横からのルートもありますが。






登り
登りは、
ここ長衛小屋から仙水峠、
仙水峠から駒津峰、
駒津峰から甲斐駒山頂、
のルートで登ります。






長衛小屋 〜 仙水峠
先輩を見送り、
トイレに行き、
タバコを一服し、

スタート(05:10)





橋を渡って、

仙水峠を目指して、



川沿いを登って行きます。






苔むした林を抜け、



ちょっとした岩壁を登ったり、



丸木橋を渡ったりして、



長衛小屋を出発して30分、

建物が見えて来ました。



この建物は、

仙水小屋(05:37)

甲斐駒の山域では、
唯一の山小屋です。

完全予約制の小屋らしいですけど。



小屋の前には、

水場が有ります。

ちょっと飲んでみましたが、
さすが南アルプスの水、
冷たくてメチャ美味でした。



狭いですがテン場もあります。

ここも、
完全予約制なのでしょうかね?






仙水小屋を過ぎ、
しばらく登ると、

露岩帯に出ました。

ここは、
マーキングが乏しくて、
一瞬迷ったかと思ったのですが、
良く見ると、

ケルンが積まれており、
ケルンに従って行くと、



なんとかクリア。

しかし、
ガスってると、
初めての人だとちょっと不安かも。



そして
着きました、

仙水峠(06:10)

右に登るとアサヨ峰、
左がこれから登る駒津峰です。






仙水峠 〜 駒津峰
先輩は、
ここらで休憩してるかと思ったのですが、
見かけないし、
ここは、
展望が無いので、
休憩無しで先輩を追っかけます。



駒津峰に取り付きます(06:11)






おっ!

先輩発見。



この先の展望の開けたところで、
休憩。



振り返ると、

栗沢山。

あの宇多田ヒカルさんがCMの撮影で登った山ですね。



先輩『いつも、
   仙水峠では休まんで、
   ここまで来て休むんよ』

確かに仙水峠は展望がありませんからね。

先輩『でも、
   仙水峠はこのあたりで唯一携帯が繋がるんよ』

勉強になります。






休憩を終え、
再び、

駒津峰を目指してスタート。






基本、
駒津峰の手前まで樹林帯の中を登るのですが、
途中、

所々展望が開けたとこがあり、



富士山や鳳凰三山、



北岳や間ノ岳、



昨日登った仙丈ケ岳などが見れます。



もちろん、

甲斐駒と摩利支天もね。

しかし、
ほんま白いですねぇ〜。

このあたりの山域では異彩を放っています。






しっかし、

駒津峰の登り、
かなり(と言うか相当)キツイです。



先輩『このルートで一番シンドいのが、
   この駒津峰の登りなんよ』

確かにそう思います。

私は、
登る時は、
この駒津峰の登り、
そして、
下山時も、
甲斐駒から下って、
駒津峰に登り返すのですが、
その時の登りがシンドかったですね。

おそるべしです、
駒津峰。






後、少し。

頑張れ、俺。






そして、
やっとこさ着きました、

駒津峰(07:38)

『ふぅ〜、
 休憩、休憩』



登るのはシンドかったのですが、
ここから見える甲斐駒は圧巻で、、、








ドン!!




『燕岳より白いな。
 そして、
 ピラミッドが美しい』



作家の宇野浩二さんは、
この山を「山の団十郎」と評したとか。

確かに美白のイケメンですな。



百名山の深田久弥さんは、
「日本アルプスで一番奇麗な頂上は、ときかれても、やはり私は甲斐駒ケ岳をあげよう」
更に、
「甲斐駒ケ岳は名峰である。もし日本の十名山を選べと言われたとしても、私はこの山を落とさないだろう」
と言ったとか。

分かります。

って、
百名山全部は知らんけどね。



ここからは、
甲斐駒だけでなく、

富士山や、



中央アルプス、



そして、

北アルプスなども見ることができます。

槍の鉾先が見えていますね。






駒津峰 〜 甲斐駒ヶ岳
休憩を終え、
甲斐駒山頂を目指して、

スタート(08:00)





せっかくシンドい思いをして登ったのに、
一旦下ります。

この下りが結構激しくて、
岩場を、
手をついて後ろ向きで下りるような場所もあり、
帰りのことを考えると、
ヘコみます。






下りきったとこにある巨石が、

六方石(08:22)

先輩『六方体だから六方石

もっと面白い話があるのかと思ったけど、
普通でした。







取り付きます。



で、
ここが、

直登と巻道の分岐。

甲斐駒のブログ等を見ると、
必ず出てくる場所です。

私 『どっちに行くんですか?』

先輩『山登りは楽しくなくちゃ。
   修行じゃないんだから』

と言って、
巻道の方へ。

確かに。

私は、
何事において、
苦しい方と、
楽な方があれば、
間違いなく、
楽な方を選ぶタイプなので(笑)、
先輩について巻道を登ります。



巻道と言うからには、
楽なんだろうと思ったのですが、
これが、

結構厳しんですよ。

スキップしながらは登れません。






あの稜線が直登コースですね。

行かんで良かった(笑)

下山時に少しだけ取り付いてみたのですが、
ステップやホールドが無い箇所があり、
パワーを必要とする場所もありました。

最後まで登ってないので、
高度感は感じませんでしたけど。






先輩『そこ滑るから、
   こっちから登った方がいいよ』

さすが、
5〜6回/年登ってるだけあって、
適切なアドバイス。

私『は〜い』






でかい岩。

同じ花崗岩でも、
六甲とはスケールが違いますね。





振り返ると、

ジュピタのような摩利支天。

下山時に行ってみよう。






この砂礫の斜面が滑るんですよ。

私、
下山時、
滑って転びました。

危ない、
危ない。






燕岳のイルカ岩に対抗して、
「子イルカ岩」と命名しときました。






山頂の祠が見えます。

後、少し。

ここらへんもかなり滑ります。






で、
登りきりましたよ、

甲斐駒ケ岳山頂(09:28)

標高は、
2,967mですか。

昨日登った仙丈ケ岳が3,033m、
と言うことは、
二つ合わせて、
6,000mですか。

まぁ〜、
別に意味はありませんが(笑)



そして、
こちらが、

駒ケ岳神社の奥宮。

大己貴大神と駒室大神が祭られているそうです。

無事登山のお礼と、
無事下山のお願いをしときました。




ここからは、

駒津峰では見えなかった八ヶ岳もよく見えます。

一番高いのは、
赤岳ですかね?



富士山はやっぱ高い。



こちらは、

鋸岳に向かうルート。

ヘルメット、ハーネス、ザイルを要する難コースらしいです。

まっ、
私には関係ありませんけど。






下り
山頂でかなりマッタリしてたのですが、
今日は、
4時のバスに乗って仙流荘まで戻ります。

テントも撤収しなければならないので、
そろそろ下山します(10:05)






摩利支天への分岐まで降りて来ました(10:20)

先輩『行って来たら。
   俺は腐る程行ってるから今日はパス。

   ノンビリ下ってるから、
   適当に追っついて』






摩利支天
と言うことで、

一人で摩利支天を目指します。

私が歩いた道は巻道のようで、
実際には、
もっと上から直接降りれるようでした。

でも、
それらしい道は見なかったんですけどね。






後、少し。





で、

摩利支天(10:30)

いろんな物が奉納されていますが、
とりあえず、
女神、摩利支天が祀られてるそうです。



ここでマッタリする時間はありません。

即行で、
先輩を追っかけます。
 





あらぁ〜、
東側はこんなにキレ落ちてるのね。

怖ぁ〜。






先の分岐まで戻って来ました(10:40)

後は、
登って来た同じ道を下るので、
写真は無し。






登りでも書きましたが、
甲斐駒を下って、
駒津峰への登り返しがシンドかったです。






仙水峠で、
休憩していた先輩とジョイン。

以後は、
二人で、
ノンビリ下山。






そして、

長衛小屋前の橋が見えて来ました。

下山終了です(14:20)






本当は、
「生」といきたかったのですが、
バスの時間が押してます。

なので、

ポカリで、
乾杯。

私 『お疲れさんでした』

先輩『お疲れ』






今日のお宿に移動
テン場に戻り、
撤収を始めます。

本当は、
出発する前に、
ある程度片付けておけば良かったのですが、
なんせ二日酔い。

そこまで気が回りません。

と言うか、
やる気が起こらず、
ほっ散らかし。

時間がかかる、
かかる。



先輩、
少し手伝ってくれんかなと思い、
隣のテントを見ると、
おりません。

仕方ないので、
必死のパッチで撤収を終えると、

先輩がタオルを頭に乗せて、
戻って来ました。

先輩『シャワー浴びとった。
   一風呂浴びた後の生は美味いねぇ〜』

羨ましい。



時間は15時50分。

バスは16時発。

このバスが最終なので、
乗り遅れる訳には行きません。



先輩にお礼を言い、
デカザックを担いで、
北沢峠のバス停まで、
走る、走る。

ここが、
今日の核心です。






で、

北沢峠。

何とか間に合いました。

『ふぅ〜』

山行きより汗をかきましたよ。






そして、

仙流荘に着いたのが、
17時前。

今から、
神戸まで5〜6時間車を運転する気力、体力は有りません。

なので、
今日は、
元々お泊まりの予定だったんです。



本当は、
ここ、
仙流荘に泊まろうと思っていたのですが、

今日はお休みです。






と言うことで、
やって来たのは、

こちら。






今日のお宿
ここは、
仙流荘から、
車で10分程走ったとこにある、

入野谷

仙流荘と同じく、
伊那市が運営する宿泊施設で、
日帰り入浴も出来ます。

バスで一緒だった人達も、
仙流荘が休みだったので、
こちに来ていました。






三日ぶりのお湯に浸かり、



地ビールを飲んで、



美味しいものを頂いて、
満足、満足。



若い頃なら、
仕事が終わって、
夜通し車を走らせ、
早朝から山登りをし、
下山後、
また車を走らせて帰る。

なんて事をしていましたが、
今は、
そんなん絶対無理。

今は、
山登りと温泉はセットです。






今回、
北沢峠をベースとする事で、
白いピラミッド型の甲斐駒ケ岳、
なだらかなカールを描く仙丈ケ岳と、
全くタイプの違うお山に登れ、
しかも、
両お山とも、
おぼ空身で登れるのも良いですね。

人気のあるのも頷けます。

私も楽しめましたよ、
結構シンドかったけど。



いよいよ、
夏山シーズン到来です。

次はどこに行きますかね?






女王と貴公子に逢って来た
一日目 今回のお宿へ
二日目 女王は噂通り華麗な美人だった
三日目 貴公子は噂通り美白のイケメンだった








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