雪の北壁が見たくて、大山に登ってみた

朝4時半、
目が覚めました。

テントはこんな状態。



実際には、
1時くらいに一度起きたんですけど、
その時には、
すでに雪は止んでいました。



フライの内側はバリバリに凍ってますが、
寒さは感じませんでしたね。



まぁ〜、
モンベルの#0のシュラフに、
ダウンジャケット、
ダウンパンツ、
ダウンのテントシューズを履いて寝たので、
暑いくらいでしたよ(笑)






まずは、

モーニングコーヒー。



そして、
今日の朝ごはんは、

こんなの。



これは、

「BIVOUAC RATION」と言って、
乾燥させた米をお湯で戻して食べるアルファ米と同じなのですが、
特徴としては、

  1. 2分30秒で食べられる
  2. 重さ80g、大きさ12x18cmでコンパクト
  3. 1食あたり400Kcal以上
  4. Vegan(完全菜食)仕様


味は、

・トマトキック味
・ポルチーニクリーム味
・海苔茶漬け味
・ホッター ・ザンカレー味

の4種類あるのですが、
今日は、

ホッター・ザンカレーにしてみました。



今回、
初めて食べてみたのですが、
私的には、
早く食べれるのが良いですね。

通常のアルファ米だと、
食べれるまで15分(お湯の場合)かかるのですが、
これは2分30秒。

そして、
コンパクト。

数日間の縦走なのでは、
コンパクトなのが一番ですからね。

お味?

人それぞれです(笑)






食事を終え、
テントを撤収しようと思ったのですが、
雪中に埋め込んだスノーペグが凍ってて抜けません。



と言うことで、
テントは下山後に撤収することにし、
テント以外の物を片付け、
駐車場に向かいます。



大山がバッチリ見えます。

予想通り、
天気は良さそうです。






駐車場の受付横の登山ポストに、
登山届けを出し、



スタート(07:45)



車の中で、
着替えし、
チマチマしてたら、
結構良い時間になってしまいました。

予定では、
7時にはスタートしたかったんですけどね。







左に登ると大山山頂、
右に下ると夏山登山口。

もちろん、
左です。






左に行くと南光河原駐車場の上に出ます。

ここにも、
登山ポストが用意されています。



登山口の標高が782m、
大山山頂が1,729m(行けるのは1,709mまで)、
約1,000m登ります。

大山は単独峰なので、
富士山同様、
ひたすら登りが続きます。

って、
富士山登ったことないけど。






一合目(08:00)

トレースもバッチリついています。

ですが、
ひたすら登りなので、
しんどい><






二合目(08:15)

ブナ林の中をひたすら登っていきます。

樹林帯の中って、
テンションが上がりません。

それに、
結構な急登なんです。






おっ!

ハイカー発見!

私一人かと思ったら、
いましたよ。






天気も良さそうです。







三合目(08:30)

ここで、
最初のタバコ休憩。





青空をバックにした、
雪の付いたブナの木がとても綺麗です。






五合目(09:10)

あれ?
四合目を見逃しちゃった。






そして、

六合目(09:30)

ここには、
小さな避難小屋があります。

ここで、
2回目のタバコ休憩。



このあたりが森林限界ですかね?

実は、
ここに来るまでに、
下山してる人と話をしたのですが、
その人は、
六合目から上は風が強くて、
登るのは諦めて、
ここから下山したそうです。






タバコ休憩を終え、
バラクラバを被り、
ゴーグルをし、
さらに、
ジャケットのフードを被り、
気合を入れ、

バックカントリーおじさんの後に続きます。






避難小屋横の急登を登ると、

稜線に出ました。



さっき下山してる人が言ってたのは、
ここからの風が凄かったそうです。

大山は単独峰なので、
周りに風を遮る物が無く、
風はきつそうですね。



ですが、、、




今は、
全くの無風。



暑い、
暑い。



フード、
ゴーグル、
バラクラバ、
そして、
帽子まで脱ぎました。

ジャケットの下のミドルウェアまで脱ごうかと、
思いましたよ。






振り返ると、

左には、
米子の街や中海や美保湾。



右には、
大山の町や日本海が見えます。






そして、
左を見ると、

北壁が目の前に迫ります。

これが、
見たかったんですよね。



逆光で、
うまく伝わらないと思いますが、
北アルプスの岩稜帯に決して負けていません。

相手は3,000m、
大山は1,700mで、
これですからね。

残念なのは、
今年は例年に比べて、
雪が少ないそうです。






稜線に出てからは、
樹林帯の中と違って、
一気にテンションが上がります。



気合を入れて登ってると、
後ろから凄い速さで登って来る人が。



その人、
年齢的には私と同じくらいだと思いますが、

ジーパンにTシャツ1枚(半袖ですよ)、
それにアイゼンではなく、
チェーンスパイクです。

ここも、
前爪を使うような、
かなりの急登なんですけどね。



あっけにとられて見てると、

あっという間に見えなくなりました。

凄い人がいるもんです。






私は、
マイペースで登ります。

ですが、
ここからは、
見るもの全てが絶景なので、
写真を撮ったりして、
なかなか進みません。






後100mちょっと。

やっぱ、
風が強いんでしょうね、
雪のつき方が凄い。






山頂(左の平らな所)がはっきり見えて来ました。

北壁も見る位置で、
様々な表情を見せます。

このなだらかなラインは、
南アルプスの仙丈ヶ岳や、
北アルプスの黒部五郎岳のカールを思いおこさせます。

って、
黒部五郎岳は登ったことないけど。



そして、

この絵だけ見せれば、
北アルプスの岩稜帯と答える人が多いのではないでしょうか。

単独峰と思えない、
大巌壁。

ほんま、
凄いわ。

何回も言いますが、
これが1,700mですからね。






急登も終わり、

ここから山頂までは、
緩やかな登りが続きます。

やはり雪が少ないようで、
ところどころ木道が露出しています。






後少し。






山頂手前の避難小屋。

例年だと、
すっぽり雪をかぶってるそうですが、、、






避難小屋の向こうが山頂です。



で、
着きました、

大山山頂の弥山(みせん)(10:45)



駐車場を出発したのが7:45なので、
ちょうど3時間ですか。

ちなみに、
このボーダーの皆さんは、
休憩を入れて、
2時間で登って来たそうです。

ジーパン、Tシャツのおじさんといい、
皆さん、
凄いわ。

って、
俺が遅いだけ?






で、
ここ弥山が1,709m、
大山の標高は1,729m。

つまり、
最高点はここではないんです。



その大山の最高点が、

中央のピーク、
剣ヶ峰(1,729m)



しっかし、
1,700mの山とは思えませんね。

たった、
2〜3時間登っただけで、
この絵が見れるんですよ。

凄いわ、
大山。

何回も言うけど。






今は、
この剣ヶ峰への縦走は崩落の為、
禁止されています。



実は私、
子供の頃から親父に連れられて、
スキーをしていたのですが、
そのホームゲレンデがこの大山だったんです。

そして、
夏には大山登山。

その頃には、
弥山から剣ヶ峰まで普通に歩けてたんですけどね。

それが、
今では、
死亡事故多発で、
縦走禁止。



自然によるものか、
登山者の増加によるものかわかりませんが、
確かに当時とは、
形が変わっています。






でも、
せっかくなので、
行けるとこまで行ってみます。

ハイカーさん達が立ってるあたりまでですかね。






中央のピークが剣ヶ峰、
左の斜面が北壁、
右の斜面が南壁です。






北壁側に目をやると、

剣ヶ峰から左に延びる稜線上の小ピークが三鈷峰(さんこほう)。

この峰は、
南北の壁からなる剣ヶ峰と異なり、
東西の切り立った壁からなるピークです。

そして、
写真では小さくて見えないと思いますが、
剣ヶ峰と三鈷峰の中間に建つのが、
「ユートピア避難小屋」

今日、
私が登ってきたのは、
「夏山登山道」ですが、
これとは別に、
「ユートピア登山道」があります。

その登山道の終点が、
「ユートピア避難小屋」

ユートピア避難小屋から三鈷峰までは、
昔は歩けたのですが、
今は、
途中が崩落しているので、
通行禁止になっています。

名前は可愛いのですが、
危険がいっぱいな場所に建っている小屋です。






弥山を振り返って。

この稜線の向こう側を登ってきたのですが、
例年だと、
この稜線の雪庇もすごいらしいです。






北壁を見下ろすと、
麓のスキー場が見えます。

スキーをしてる頃は、
スキー場から、
ここを眺めていたんですよね。

それが、
今日は逆。



バリエーションですが、
北壁を直登するルートもあるそうです。






そして、
こちらが、

南壁。

この稜線に立って、
初めて目にすることができる壁です。

大山は、
この南壁と北壁に挟まれたナイフリッジ上にピークが点在する尖鋭の山。

その事をあらためて、
認識させてくれます。






もうすこし進んでみます。



ここが、
私の行ける限界。

ここから先は無理。



しっかし、
迫力ありますねぇ〜。

2〜3時間で簡単に登れて、
登った先は危険がいっぱいなんて、
そんな山はあまりないですよね。






いつまでも見ていたい景色なのですが、

ガスが出て来たので、
降りることにします。



しかし、
名残惜しい。

最後にパシャ!

この稜線のカーブもたまりまへんな。






ボーダーさん達もスタートしました。

登山道とは逆の一の沢を滑り下りるそうですが、
爽快でしょうね。

後ろに乗せて欲しいわ、
ほんま。






12時に下山を開始したのですが、

まだまだ多くの人が登って来ます。



その代表が、

こちらの集団。

約20人程いますが、
全員K国の皆さんです。



ちなみに、
ここから、
登山口に下りるまでに、
こちらと同じ約20人程のK国のパーティを4組みたので、
約100名のK国の方が登ってる計算です。

まぁ〜、
全パーティが山頂まで行くようではないのですが、
中には、
今日は山頂の避難小屋泊で、
明日のご来光を見ると言うパーティもありました。

もちろん、
それぞれのパーティに、
日本人のガイドさんがついてましたけどね。



K国って、
登山が盛んなんですね。

穂高あたりでもよく見かけるし、
台湾の空港でトランジット待ちしてると、
4,000m級登ってきたぜぇ〜、
って人達をよく見かけます。






途中、
登山口近くの、

阿弥陀堂にお参りし、



下りてきました、

夏山登山口。






そして、
キャンプ場に行ってみると、

テント、
無事でした。






チャチャっと撤収し、
いつものプシュ〜って行きたいのですが、
今日は、
これから車なので、

奥大山の天然水で。






その後、
やって来たのは、

豪円湯院

日帰り温泉や、
食事処やお土産さんが入ってる複合施設です。



ここ、
日帰り温泉が中学生以上380円なんです。

安くないですか?

お風呂もとても綺麗なので、
☆三つにしたいのですが、
露天から大山が見えないので、
☆二つにしておきます。




今日は、
平日と言うことで、
最初は貸切だったのですが、
その後、
どこかの団体さんが入って来たので、
速やかに撤収。



ここでも、
風呂上がりにプシュ〜っていきたかったのですが、
我慢。






休日は、
スキー客や観光客が多く歩いてる、

大山寺の参道も誰もいません。



もしかしたら、

大山の山の中の方が人は多いかもしれません。

なんせ、
K国の人達だけで、
100人はいますから(笑)






帰りの車中から。

まさに「伯耆富士」



大山は、
「日本百名山」と言うのは知っていたのですが、
このブログを書くにあたり調べると、
「日本四名山」という日本を代表する四つの山の一つだとか。

富士山、
立山、
御嶽山、
そして大山。

大山以外は皆3,000mオーバー。

しかし、
1,700mでも、
その標高差をまるで感じさせない、
と言うか、
それらと肩を並べる名峰ですね。








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