大山山頂お泊まり登山はホワイトアウト

弥山から望む朝の剣ヶ峰




私、
最近の日課に、

「登りたいお山の天気予報をチェックする」

と言うのがあるのですが、
中々、
良い予報が無いんですよね。



で、
「登りたいお山リスト」に入っていない、
大山を何気に見ると、
なんと、


今日、明日はオールA

ちなみに、
この予報は、
「てんきとくらす」と言う予報サイトでして、
登山者の間では、
「てんくら」と呼ばれているものです。

で、
「A」は、
登山に適してると言うもので、
この時期の大山で、
オールAは珍しい。



他の予想サイトもチェックしたのですが、
概ね良い予想。

これは、
行かねばと思ったのですが、
今から準備をして出かけると、
日帰りは厳しい。

なので、
今日は、
山頂の避難小屋まで登り、
避難小屋に泊まり、
明日の朝陽を見てから下山する、
お泊まり登山にしました。

昨年も、
お泊まり登山をしてるんですけどね↓↓↓

大山山頂お泊まり登山(初日)
大山山頂お泊まり登山(二日目)







一日目
と言うことで、
やって来たのは、
登山口にある、

南光河原駐車場。

この駐車場、
夏の時期は無料なのですが、
冬は有料で、
1,000円/1日です。

去年より、
値上がりしたのかな?

まぁ〜、
トイレも新しく綺麗になっていたので、
値上げも良しとしましょう。



しかし、
平日なのに、
90%くらい埋まっています。

中には、
横浜ナンバーの車も停まっています。

でも、
驚いたのは、
北見ナンバー。

北海道から走って来たのでしょうか?(笑)

さすが大山、
全国区です。






で、
山行きの準備をし、

スタート(12:30)






最初は、

ブナの林の中を登っていくのですが、
木の周りの雪が溶ける「根開き」が見られます。

しかも、
気温も暖かくて、
既に、
残雪期なのでしょうか?

スタートして即、
ジャケットを脱ぎましたよ。






3合目(13:14)

ここで休憩。



そして、

アイゼン到着。






3合目を過ぎると、
それまで見れなかった、

樹氷が見れるようになって来ました。



振り返ると、

こんな感じです。

今日は、
周りが白いのでイマイチですが、
青空だと、
本当に綺麗なんですよね。






5合目(13:55)



ここで、

山の神様に安全祈願。






5合目を過ぎると、

段々と斜度が増して行きます。






そして、
樹林帯を抜けると、

6合目の避難小屋が見えて来ました(14:20)

ここで、
休憩。



この避難小屋、
雪が多いと、
全て埋まっているのですが、
今日は、
全て見えています。

ほんま、
今年は雪が少ないんですね。



冬の大山、
問題はここからなんですよね。

今までは、
樹林帯の中だったので、
風も弱かったのですが、
ここからは、
稜線に出ます。

独立峰の大山は、
日本海から立ち上がっており、
冬の日本海からの風をもろに受けるんです。

標高は、
1,700mチョットですが、
その厳しさは、
3,000mの北アルプスにも匹敵するとも言われています。



と言う事で、
今までは脱いでいたジャケットをはおり、
オーバーグローブをし、

スタート(14:30)






予想通り、
風が強くなってきました。

と言っても、
歩けない程強くは無いですけどね。



それより、
問題は、
真っ白。



一瞬、

薄陽が射したので、
期待したのですが、
また直ぐ厚い雲に覆われてしまいました。



そして、

こんな状態に。

さっぱり分からん。



まぁ〜、
大山は単独峰で、
とにかく登って行けば、
いつか山頂に着くので、
道迷いの心配はあまりないのですが。

それに、
踏み跡は風で飛ばされていますが、
雪が降っていないので、
アイゼンの跡は残っています、
僅かですが。



とにかく、
アイゼン跡をトレースします。






おっ!

木道や!

山頂の木道が見えて来たのは嬉しいのですが、
この時期に木道が見えるとは、
やっぱ、
雪が少ないんですね。



このまま、
木道が小屋まで続いてることを祈ったのですが、
途中で、
消えています。

そうすると、
また、
真っ白の世界。



実際には、
ポールが立っているので、
ポール沿いに登れば問題ないのですが、
次のポールが見えないんですよ。

とにかく登ります。






おっ!

小屋や!



と思ったら、
雪の下から覗いてる、
ダイセンキャラボクでした。

ここは、
皆さん間違えるようで、
沢山の踏み抜き跡がありました。

私も、
危うく踏み抜くとこでした。



アイゼン跡や、
時々出てくるポールを頼りに登ります。






そうすると、
有りました、

山頂の避難小屋(15:40)


『着いた!』



この時期の大山には何度も登ってるので、
ある程度ルートは分かっています。

ですが、
真っ白なので、
位置と方向がイマイチ分かりません。

6合目から上は、
最初は細い尾根なので、
道迷いの心配は無いのですが、
そこを登りきると、
広い尾根?に出ます。

問題はここで、
どこでも歩けるのですが、
(ルートを外すと踏む抜くけど)

左側は北壁で落ち込んでおり、
雪庇も育ってるかもしれないので、
かなり注意して歩いたのですが、
やっぱ、
一人で真っ白な中を歩くのは少し不安でしたね。

今日は、
雪が降ってなくて、
アイゼン跡が残っていたので何とかなりましたが、
雪がアイゼン跡を消していたら、
7合目くらいで撤退していましたね。

てんくらAなのに、
こんな天気とは。






山頂は、
このすぐ先なのですが、
行っても何も見えないので、
今日はここまで。



中へ入ります。



中は、

こんな感じ。

すみません、
レンズが曇りました。



雪が多い時は、
二階から出入りするのですが、
今日は、
普通に一階から出入りします。



私が到着した時には、
誰もおられませんでしたが、
その後、
2名の方が来られ、
結局のこの日は3名でした。






寝床の準備をし、
早速、
晩ご飯。

今日は、

おでん。

辛子を忘れたのですが、
やっぱ、
おでんには辛子は必要ですね。



オデンをつまみに、
バーボンをチビチビ。



バーボンとオデンの具が無くなったので、
〆は、

残ったスープにおにぎりを投入して、



雑炊。

ネギや卵が欲しい。

今日は、
急遽決めた山行きだったので、
食材は、
途中のコンビニで揃えたんです。

なので、
忘れ物が多い。






食事が終われば、
後はする事無いので、
シュラフに潜り込みます。

まだ、
6時前ですが、
寝ます。

爆睡 (_ _)zzZZ






夜中、
目が覚めました。

時間は、
1時。

なんせ、
6時前には寝てたので、
もう十分です。



外に出て見ると、
風も止んで、
ガスも取れています。
 
大山最高峰の剣ヶ峰も見えています。




振り返ると、

避難小屋と、
米子の街の灯り見えます。



明日は(もう、今日やけど)、
天気良さそうです。






二日目
で、
二日目の朝。

昨晩は、
夜中に目が覚め、
外で1時間くらい写真を撮り、
その後、
再び寝ました。

まぁ〜、
良く眠れますわ。





で、
5時に目が覚め、
コーヒーとアンパンで朝ご飯。



そして、
外に出て見ると、

明るくなり始めています。



小屋泊のお二人も既にスタンバっています。

ベストポジションを取られてしまった(笑)



今回は、
珍しく三脚を持って来たんです。

なんせ、
三脚があれば、
ポキションをセットさえすれば、
タイムラプスで自動撮影ができるので、
何もせんで良いですかね。

と言う事で、
カメラを三脚にセットし、
タイムラプスON!

後は、
日の出を待つだけです。






6:10




6:30、
出て来そうです。




6:40、
おっ、出て来ましたね。

でも、
雲が、、、




6:50、
やっぱ、
雲の中ですね。



残念ながら、
今日は、
ご来光は無理なようです。






が、
しかし、

『おぉ〜』



って、
何を見てるかと言うと、

滝雲。

雲が、
烏ヶ山の西側に流れ落ちています。






ご来光は見れませんでしたが、
滝雲は見れました。

今回は、
これで良しとしましょう。



と言う事で、

小屋に戻り、
荷物をまとめ、

下山します。





今日は、
バッチリとポールが見えています。

かなり狭い間隔で設置してあるのですが、
昨日は、
次のポールが全然見えなかったんですよね。

右側(昨日は左側)は、
落ち込んでいるでしょ。

ここは、
かなり気になったんで、
ポールの左側(昨日は右側)を歩くようにしたんです。






途中、
振り返って、

このあたりは、
北壁沿いを歩くのですが、
尾根が狭いので、
道迷いの心配はしませんでした。



ここを登って、
右に折れて、
トラバース気味に登ると、
先のポールが設置されてる広い尾根に出るんです。

でも、
結構ギリを歩くんですね、
全然分からんかった(笑)






この先、
激下りで、
下ったとこが6合目の避難小屋です。

で、
ここでカメラがご臨終。

なんせ、
今回は、
急遽来たもんで、
カメラのバッテリーを充電してなかったんです。

と言う事で、
以後の写真はスマフォで撮ったものです。






6合目の避難小屋でプチ休憩し、
快調に下山します。

ほんま、
雪山の下山は早いです。

木の根も無いし、
浮石も無いしね。






でもね、
下山中にチョット驚く事があったんですよ。



4合目を過ぎて下っていると、
男女カップルが登って来ます。

登り優先と言う事で、
道を避けて待っていたのですが、
どこかで見たような。



最初に女性の方が、

『こんにちは、ありがとうございます』

次に後ろの男性が、

『山頂、風ありますか?』

私『私がいた時は無風でした』

更に男性は、

『雪はついてますか?』

私『木道がバリバリ見えてます』

男性、

『マジっすか?』



な〜んて会話してると、
思い出したんですよ。

先週、
北八ヶ岳に行ったのですが、
その時、
黒百合ヒュッテで、
少しお話をした大阪のカップルさんでした。

向こうも思い出したようで、

男性『もしかして、神戸の?』

私 『です^^』


一週間前に八ヶ岳でお会いした人達に、
また、
しかも大山でお会いするとは。

狭いもんです、
日本は。



ここで、
かなりいろんな話をさせてもらい、
おかげで、
良い休憩になり、
以後、
休憩なしで、
下って来ました、

南光河原駐車場。

無事、
下山完了です。






振り返って
今回は、
進む/撤退の判断の難しさを考えさせられましたね。



真っ白で、
何も見えない世界で、
初めての山なら、
即撤退です。

ですが、
大山は過去に何度も登っており、
夏道と冬道の違いも知っています。

なので、
進んだのですが、
進みながらも、
頭の中では「撤退」も考えていたんです。

「ここを右に進み、
 少し登ると、
 ◯◯の案内板があるはず」

「もし無ければ、
 撤退」

等を繰り返し、
その予想通り、
目標物が見つかったので、
小屋まで辿り着きました。



でもね、
もし無ければ、
撤退するつもりだったのですが、
その時点で撤退しても、
無事下山できる保証はありません。

特に下りは、
変な場所に下る可能性も多く、
登りより手ごわいんです。




やはり、
ホワイトアウトになった時点で、
撤退が正解なのかもしれません。

いや、
正解は、
ホワイトアウトになる前に撤退、
なんでしょうね。



そう言う意味では、
今回は、
失敗の山行きでした。

以後、
今回の経験を生かしたいと思います。








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