登山規制が解除された御嶽山に登ってみた 
一日目 御岳ロープウェイ 〜 剣ヶ峰 〜 二の池ヒュッテ

8合目から望む御嶽山





2014年の噴火で、
火口付近に居合わせたハイカー58人が死亡すると言う、
戦後最大の火山災害を出した御嶽山。

その御嶽山が、
一部のルート限定ですが、
噴火以来続いてた登山規制を9/26に解除して、
山頂の剣ヶ峰まで行けるようになりました。

解除したと言っても、
10/8までの期間限定でして、
早速登ってみました。






朝4時半、

出発します。






神戸を出発し、
中央道の中津川までは、
サクッと来たのですが、
そこからが長い。



で、
やっとこさ着来ました、

御岳ロープウェイの駐車場。

今日は、
平日にも関わらず、
第1、第2が満車で、
第3駐車場に誘導されました。

正面は、
これから登る、
御嶽山ですね。






そして、
やって来たのは、

ロープウェイ乗り場のセンターハウス。



こちらで、

チケットを購入し、
登山届けを提出します。



往復チケットは、
3日間有効で、
2,600円。

JAF会員、
モンベル会員だと10%オフです。






正面に御嶽を見ながら登って行きます。






揺られること約15分、
着きました、

飯森高原駅。

ここには、
展望台があるのですが、
凄い人だったので、
今日はスルーして、
明日帰りに寄ることに。






御岳ロープウェイ 〜 剣ヶ峰
山行き準備をし、
御嶽山山頂の剣ヶ峰を目指して、

スタート(10:33)



御岳ロープウェイ 〜 女人堂
歩き出して、
即に、

入山情報。

山頂まで行けることになったとはいえ、
まだ、
噴火警戒レベルは1(活火山であることへの留意)
なんですよね。

2014年の噴火時も、
噴火警戒レベルは1だったんですよね。

気を引き締めて行きましょう。






しばらくは、
木のチップが敷き詰められた遊歩道を進みます。

これが、
山頂まであると、
どれだけ楽かと思うような、
足に優しい道です。






そして、
10分弱歩くと、
見えてきたのが、

行場山荘(10:41)

このルートで、
最初の小屋です。



ここ、
なんと、
小屋の中に登山道が走っています。

この通路が登山道です。

なんと言う、
素晴らしいビジネスモデル(笑)

この登山道には、
このように、
登山道が小屋の中を通ってる小屋が他にもあります。

しかし、
そんなのはチョットって、
思われる貴方。

大丈夫、

巻道(小屋の右側)もありますから(笑)

しかし、
「名物 ちからもち」が気になる。

帰りに食べてみよう。



行場山荘の裏には、

覚明社があります。

御嶽山を開いた、
覚明行者をお祀りしている社ですかね?



しかし、
ここが、
7合目。

まだ、
歩き出して10分も経たないのに、
すでに7合目ですよ。

なんと素晴らしい。






行場山荘を過ぎると、

階段が始まります。

この登山道、
大げさに言えば、
山頂まで階段です。

9合目を過ぎると、
ガレ場、ザレ場になるのですが、
それでも、
石の階段です。

積んだのか、
自然なのかわかりませんが。

何れにしても、
大変良く整備された道です。






今日は、
平日にも関わらず、

メッチャ多くのハイカーさんが登られています。

なんせ、
1,500台駐車できる第1〜第3駐車場のうち、
第1と第2は満車でしたからね。

規制解除は8日までで、
その中で天気の良い日は、
今日だけと言う予想。

なので、

皆さん、
今日登られてるんでしょうね。






おっ!、

8合目か?

って、
思ったら、
8合目まで400mでした。

この登山道、
至る所に、
このような、
残りの距離が表示されています。

しかし、
距離を言われてもねぇ〜。






スタートして1時間、

小屋が見えて来ました。



それが、

女人堂(金剛堂)(11:28)

ここが、
8合目です。



ここでは、

多くの方が休憩されていたので、
私も休憩。

と言うか、
昼ごはん。



その昔、
ここ八合目より先は神の聖域とされ、
女人は登山を許されず、
頂上を目指した男性達の帰りをこの小屋で待っていたそうです。

登山が許されなかった女人達が参拝した御堂であることから、
「女人堂」と呼ばれてるそうです。

今では、
山ガールのお姉さん、オバさんがガンガン登ってますけど。



この登山道、
メチャメチャ多くの霊神碑が建っています。

その数は、
御嶽全体で2〜3万体とも言われてますが、
2〜3万って、
かなりアバウトな。

特に、
女人堂の周りは、
阿波ケ嶽と呼ばれて、
島県阿波地方の人々の霊神碑が多く祀られています。












女人堂 〜 剣ヶ峰
さて、
お昼も食べたし、
休憩もしたので、

スタート(11:50)

女人堂あたりが森林限界のようで、
ここからは、
ハイマツと共に、
ナナカマド等の紅葉樹が大変美しいです。

でも、
今回の台風24号で、
だいぶ飛ばされたそうですが、
まだまだ見頃ですね。






金剛童子(11:55)

山頂まで登れなかった女性が、
参拝したお堂ですね。

昔は、
祠があったと思うのですが、、、

右の大岩は、
天岩戸(アマノイワト)伝説の岩で、
その上には覚明行者の石碑が祀られています。

ここが、
俗世と神域の境界と言うことですね。






黒い2体の像。

噴火で焼けたて黒くなったのかと思ったのですが、
石像ではなく、
銅像でした。






三笠山刀利天(12:04)



鳥居、
倒れたままやし。






明治不動(12:13)

皆さん、
鐘を鳴らしていました。

この登山道には、
ここ以外にも、
山頂までに、
3つの鐘がありました。

通の人は、
全部鳴らしていくそうです。






中央の白いのは噴煙ですかね?

雲かな?






黒岩と呼ばれる休憩ポイント(12:27)

正面に見える小屋は、
手前が石室山荘、
奥が覚明堂。

このあたりから、
ザレ場になります。






頂上まで1,000m地点(12:38)

この辺りから、
ガレ場になりますが、
石で階段が出来てるので、
とても歩きやすい。






この先、
登山道は、
右に曲がり、
石室山荘(右上)に向かって登って行きます。

※ 翌日撮った写真
ここです。

しかし、
この登山道は、
7合目の行場山荘同様、
石室山荘の中に設けられており、
「チョットね」
と言う方は、
そのまま直進すれば、
石室山荘を巻けます。

時間も、
巻いた方が早いです。



私は、
  
巻きました(12:47)



上から見ると、

多くのハイカーさんが、
正しい登山道を歩いてるようです(笑)

右の2名の方は、
巻いて下ってます。

でも、
休憩する場合には、
良いですよね。

私も、
帰りには、
この正規ルートを通りました。






崖に迫り出すように建ってるのが、
覚明堂。



で、
その、

覚明堂(13:01)

現在は、
営業はしていないようです。

休業?廃業?



ここにも、

鐘があります。



覚明行者に見守られ、
鳥居をくぐって、
登って行きます。






ニノ池方面への分岐(13:06)

右に登って行くと、
二ノ池、三ノ池方面に行きます。

私は、
もちろん、
山頂目指して直進します。






山頂(剣ヶ峰)と、
それに続く登山道が見えて来ました。






黒沢十字路(13:11)

解除前は、
ここまでだったようです。

今回の、
解除で、
ここから、

剣ヶ峰まで登ることが出来るようになりました。

では、
登って見ますか。






二ノ池が火山灰で分断されていますね。

この池は、
日本で一番高いとこにある池で、
噴火前は、
綺麗なコバルトブルーだったそうなのですが、、、






あっ!

ヘルメット被るん、
忘れてる。

実は、
黒沢十字路 〜 剣ヶ峰は、
「解除されても活火山であることに変わりない」
として、
ヘルメット着用を促しているんです。

せっかく、
持って来たのに、
完全に忘れてましたね。

いかん、いかん。


※ 石室山荘でヘルメットを借りれるそうです。






後、少し。





そして、
最後に、

この階段を登れば、



剣ヶ峰(13:34)

御嶽神社奥社の社務所は修復されてるようですが、
石像や社はまだ手つかずのようですね。

まだまだ、
建設資材等が置かれ、
工事現場って感じです。






眼下には、

一ノ池



その右には、

二の池や、
摩利支天山(左のピーク)、
継子岳(中央のピーク)を望むことが出来ます。






まぁ〜、
これだけ見れば、
大したことなさそうに見えるのですが、
実は、
先の階段の下の部分が噴火前と全然変わっているんです。




階段の登り口。



ここには、
元々、
御嶽頂上山荘と言う山小屋があったのですが、
今は取り壊され、

あらたに、
慰霊碑と3基のシェルターが作られています。

今回、
規制が解除された理由の一つが、
このシェルターの完成なんですが、、、



1つのシェルターには30人程が避難できるそうですが、
死ぬか生きるかの瀬戸際で、
30人の人が、
この狭い空間で、
平常心で過ごせるとは思えません。

ハイカーの判断力、行動力、
そして人間性が、
生死を分けるのかもしれませんね。



それに、
シェルターは、
現在ここだけですからね。
(まだ作る計画はあるようですが)

近くにいれば、
避難できますが、
少し離れていれば、
ここまで逃げ込むことはまず無理。

そのような時、
どうするかですよね。

以前、
噴火に遭遇し、
噴石で左腕を失いながらも、
岩陰に潜み、
火山灰に埋もれながら、
氷点下の夜を越し、
生還した、
女性ハイカーさんの記事を読んだ事があるのですが、
彼女は、
ダウンジャケットを着て、
ツェルトに潜り込んで、
氷点下の夜を一晩過ごしたそうです。

朝、
噴火が収まり、
周りを見ると、
同じ箇所に避難していた男性2名は亡くなられてたそうです。

当時の御嶽は噴火警戒レベルは、
今と同じ1で、
比較的お手軽に登れる山と言う印象だったのですが、
彼女は、
それでも、
ダウンやツェルトをザックに入れていたそうです、
日帰り登山でも。

それと、
彼女は友達二人で登り、
噴火時は、
たまたま別行動をしており、
避難してる時に、
無事下山した友達から確認&励ましの電話があり、

『私がここで死んだら、
 友達はきっと自責の念に駆られる。
 だから、生き抜こう!』

と思ったそうです。



やはり、
これですね、
生きるか死ぬかの差は。

『絶対生き抜いてやる!』と言う強い気持ちと、
リスクを考えた準備。



この女性の記事を張っておきます↓↓↓

ソース:【御嶽山噴火1年】生還女性が語る“あの時” 「備えの大切さ伝えたい」





さらに、
階段の登り口の下を見ると、

未だ手つかずの、
御嶽剣ヶ峰山荘。



凄い、、、






剣ヶ峰〜二の池ヒュッテ
雲が上がって来ました。

ここは、
雰囲気的にも、
あまり長居するとこではないので、

今日のお宿に向かいます(13:55)






黒沢十字路(14:13)

ここからは、
ショートカットして、
先に見える二ノ池本館を目指します。






覚明行者立ち往生の地(14:14)






二ノ池の淵、
と言うか、
二ノ池の上を歩きます。






火山灰が固まって、
石膏のようになっています。






トボトボ歩く私。

2014年の噴火では、
58名のハイカーさんが亡くなれているのですが、
実は、
まだ5名の方がこのあたりに取り残されているんですよね。

そんな事を考えると、
とても、
スキップしながら歩く気にはなりません。






でも、
そんな大災害に見舞われた御嶽ですが、
少しづつではありますが、
前に進んでいます。

それが、
先のシェルターだったり、

絶賛修復中のニノ池本館。

工事をしていたお兄さんに聞くと、

『雪が降るまでには終わらせる』

って、
言ってたので、
もうすぐ完成なんでしょうね。



難を免れた、
仏像とお馬さん。

ギリギリセーフだったみたいです。





見えて来ましたね。



で、
着きました、
今日のお宿、

ニの池ヒュッテ(14:28)






今日のお宿
このお宿、
噴火前は、
「二ノ池新館」と言う名前だったのですが、
現在は、
オーナーも新しくなり、

「二の池ヒュッテ」としてリニューアルしています。

看板もおニューですね。



新しいオーナーさんは女性で、
女将って感じで、
なかなか素敵な方です。

↓↓↓に詳しく紹介されています。

御嶽山頂の小屋・二の池ヒュッテが来月開業
女性が新オーナーに







小屋のシンボルでしょうか、
ライチョウさん。

既に冬毛ですね(笑)





ここからは、
南を見ると、

剣ヶ峰。



北を見ると、

摩利支天山(左側のピーク)

2時間もあれば、
往復できるそうなので、
登ってみようかと思ったのですが、

シンドそうなので、
パス(笑)


それより、

一杯(笑)



さすがに、
このサイズだとすぐ無くなります。

なので、
次は、

中乗りさん。

小屋で購入したものですが、
これが、
美味い、美味い。



2本目を購入し、

外で飲むことに。

槍、穂高が綺麗に見えます。



手前は乗鞍ですかね。






赤く染まって来ました。

アーベントロートってやつですか?

小屋泊(テント泊)の楽しみの一つですね。






この小屋、
東西に向いてるので、
朝陽も夕陽も見えるんですよね。






メチャメチャ綺麗。

日帰りも可能だったのですが、
泊まって良かった。






陽が沈みました。



で、
小屋に入って、

晩ご飯。



今日は、

ワンプレート。

グラスはワインです。

さすが、
女性オーナーさん、
洒落てます。

美味しゅうございました。





そして、

7時には、
布団の中に。



明日は、
予報では、
天気がイマイチなのですが、
下山だけなので、
なんとかなるでしょう。






登山規制が解除された御嶽山に登ってみた
一日目 御岳ロープウェイ 〜 剣ヶ峰 〜 二の池ヒュッテ
二日目  二の池ヒュッテ 〜 御岳ロープウェイ








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