Cho Nhat Tao ー 電脳市場

日本の知り合いから、
ある電子部品を探して欲しいと頼まれて、
やって来たのは、
 
Cho Nhat Tao(ニャッタオ市場)




ここ、
人呼んで

「電脳市場」

って、
私が言ってるだけですが。



香港の
「モンコック・コンピューター・センター(旺角電脳中心)」

や、
バンコクの、
「パンティット・プラザ」

と比べてはいけません、
ここはホーチミンなので。



でもね、
結構掘り出し物が
あるんです。






場所は10区でして、
Nguyen Kim と Tan Phuoc の交差点にあります。



このあたりには、
この市場以外に、
多くの電気屋さんが軒を並べています。


Nhat Tao 通り(電気屋さん通り)。



電気屋さんと言っても、
家電ではなく、
かなりマニアックな物です。




壊れた、
携帯とか、



バラされた WiFi ルータとか^^

しかし、
これって、
壊れた物ではなく、
動く物じゃないんですかね?

なぜ、

同じ物がこんなに大量にあるんでしょうか?

もしや?
って、
気にせんときましょう。






それでは、
市場に入ってみましょうかね。


入り口はこんな感じで、
「Cho Nhat Tao」
って書いてないので、
少しわかりずらいです。






入口に大量に放置(?)された、
使用済みの基板。

これは期待が高まりますね^^






他の市場同様、
小さなお店がビッシリ詰まっています。






お店の前には、
使用済基板や分解したスピーカー。






この市場も他の市場同様に、
お店により、
売ってる物が違います。

いわゆる、
専門店ってやつです。

例えば、
電子部品屋さん、
ケーブル屋さん、
リレー屋さん、
モーター屋さん、
等々。






へぇ〜、
こんな物も売ってるんですね。

これは、
どんな基板にも必ず必要な「抵抗」や「コンデンサ」で、
SMD(Surface Mount Device)と言う種類の部品です。

部品を基板に自動実装するための物で、
一般の人にはまったく関係無い物なんですけどね。






パソコンの修理屋さんもあります。

聞くと、
修理だけではなく、
動く部品(基板やケース)を集めて、
新しいパソコンとして組み上げて、
それを売ってるそうです。



これは、
特殊な半田着けをする装置で、
半田ゴテでは出来ないような半田を行います。

結構いろんな物を持ってるんですね。






いろんなお店が入っていますが、
そんな物、
絶対売れんやろ、
なんてお店もあります。



ここもそんなお店です。

オッちゃんも分かってるようで、
まったくやる気無し。
テトリスに夢中です。



でも、
でもね、
ここに有ったんですよ、
探し物が。






その探し物と言うのが、

こちら。



これ、
何か分かりますか?



これは、
EPROM (Erasable Programmable Read Only Memory)と言って、
半導体メモリーの一種で、
デバイスの利用者が書き込み・消去が可能で、
電源を切っても記憶内容が保持される不揮発性メモリーなんです。

書き込みも消去も特殊な機器を使って行います。

1970年代に開発され、
その時代の主力ROMとして使われた物なんです。






いやぁ〜、
メッチャ懐かしい。

私が会社に入ったころはこれがメインで、
ここにプログラムを書き込み、
デバッグし、
バグが出れば、消去し、
再度、
修正したプログラムを書き込む、
なんてことを毎日朝から夜遅くまで繰り返したもんです。






勿論、
最近はこんな物は使用しません。
皆さんの携帯や、
パソコンのSSD(Solid State Drive)に使われている不揮発性メモリーは、
「FLASH(フラッシュ)」と言うメモリーです。



ソース: iFixit
これは iPhone 6s の基板の一部で、
赤い枠で囲ってあるのが、
FLASHメモリーです。



FLASHメモリーは、
1980年代に日本人により発明・開発されたメモリーで、
このメモリーの出現により、
先のEPROMはこの世から消え去りました。






FLASHメモリーですが、
1デバイスあたりの記憶容量が、
もうすぐ、
1T(テラ)ビットになると言われてます。


最先端のFLASHメモリーデバイス - 10 x 10 mm

1Tと言うと、
漢字で書けば「1兆」、
数字で書けば「1,000,000,000,000」



ちょっと専門的になりますが、
コンピュータの世界では、
1Tは、

1,099,511,627,776 (240)  ビット

で表されます。


これにどれ程の物が記憶出来るかと言うと、
日本語の1文字を記憶するのに16ビット必要でして、

1,099,511,627,776 / 16 = 68,719,476,736文字(日本語)


新聞1ページの文字数がだいたい12,870文字くらいと言われています。
なので、

68,719,476,736 / 12,870 = 5,339,508ページ


朝刊のページ数を25ページとすると、

5,339,508 / 25 = 213,580日 → 585年


約10 x 10mm のデバイス内に、
585年分の朝刊が記憶出来る訳です。
凄くないですか?


勿論、
これが最終形ではなく、
これからもドンドン増えて行きます。



IC(集積回路)業界では、

「集積回路上のトランジスタ数(≒性能)は18ヶ月ごとに倍になる」

と言う、

「ムーアの法則」

ってのがあるのですが、
これで行くと、

2年後には2.52倍、
5年後には10.08倍、
10年後には101.6倍、
15年後には1024.0倍、

となり、
15年後には P(ペタ:千兆)ですね。

585,000年分の毎日の朝刊が記憶出来ることになります。



まぁ〜、

「2045年には人工知能が人間の脳を超える」

と言うような予測もありますが、
あながち冗談ではないかもしれませんね。

後30年ですか?
見て見たいような、
見たくないような、、、
 





しかし、
その時、
この国、この街はどうなっているんでしょうかね?







もしかしたら、
路上で、
1TビットのFLASHを売ってるのかな?^^






因みに、
先のEPROMの記憶容量は65,536ビットです。
日本語(16ビット)を記憶する場合、

65,536 / 16 = 4,096文字

たったの 4,000文字、
新聞1ページも記憶することが出来ません。






この通りも面白い物を売ってます
Pham Huu Chi、Do Ngoc Thanh ー ジャンク屋通り




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Cho Nhat Tao(ニャッタオ市場)
Nguyen Kim と Tan Phuoc の交差点
お店により異なる
お店により異なる








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